「人間が人間を食べた」10の実例! 屍食、丸焼き、人肉飲み…カニバリズムと食人の真実まとめ!

7. ブラジルのワリ族

 ブラジルのワリ族の人々は、彼らの敵対グループのメンバーのみならず、部族内の死者も食べていたという。敵を食べることは、憎しみと怒りを表現する彼らの方法であった。

 そして1960年代まで彼らの部族内の死者の大部分は食べられていたという。彼らにとって、部族内の死者の肉体を食べることは、故人を悼み、尊敬の念を表する彼らの独自の方法であった。米ヴァンダービルト大学の人類学者であるベス・コンクリンは、1年以上ワリと暮らし、1995年に「American Ethnologist」でワリ族の人肉食の歴史について解説している。

8. 16世紀~17世紀の西欧人

 スミソニアン協会は18世紀の終わりまで、ヨーロッパ人が薬用として死んだ人間の肉を活用することは珍しくなかったと報告している。たとえば、16世紀の医師であるパラケルススは、人間の血液は健康のために飲めるものであると信じていた。もちろん新鮮な血を飲む機会はめったになかったが、医薬品を買う余裕がない人々は死刑執行の現場で待機し、カップ1杯の死んだ罪人の新鮮な血液に少額の料金を支払っていた。

9. 19世紀の北極探検隊

 遭難した探検隊など決死のサバイバルの果てに人肉食に及んだ者も少なくない。

 最も有名な例の1つは、1845年にカナダの北側と北極圏を結ぶ航路を発見すべく探検に出た「フランクリン遠征」だ。氷河に閉じ込められた2隻の船、HMSエレバス号、HMSテラー号に乗船していた探検隊は、最寄りの交易所まで1600kmを徒歩で移動しようとしたが、残念ながら彼らの努力は無駄に終わった。

 エレバス号の残骸は2014年に、テラー号の残骸は2016年に発見され、探検家の遺体も回収された。遺体の多くの骨に切り傷や破損や骨髄抽出の兆候があり、遭難中に人肉食を行っていた説得力のある証拠となっている。

10. インド・バラナシのアグホリ

 アグホリ(Aghori)はインドのバラナシに住む、ヒンドゥー教の神・シヴァを崇拝する小規模の異端宗派である。

 アグホリは、純粋なものと不純なものの間に違いはないと信じており、死体の上で瞑想したり、人間の頭蓋骨からボウルを作ったりするなど、部外者からすれば不気味な風習を多く持つ。いくつかの報告によると、彼らは儀式的な人肉食も実践しているという。

 文明人にとってタブーである人肉食だが、人類史において決して珍しい行為ではなかったことも紛れもない事実なのだ。

参考:「Live Science」ほか

 

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
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