キリスト教の牧師がストリッパーに転身して大成功! 禁欲生活の果てに辿り着いた“悟りの境地”=米

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画像は「Getty Images」より

 厳格なキリスト教徒の家庭に生まれ育ち、成人後は牧師として神に仕える道を歩んでいた女性が、ストリッパーに転身して大成功を収めている。

 米国・オハイオ州出身のニコール・ミッチェルさんは、自らの会員制アダルトサイトを通じて毎月約1000万円もの収入があり、現在はカリフォルニア州の高級マンションで暮らしている。Instagramのフォロワー数は約26万人を誇り、インフルエンサーとして順風満帆な生活を送っているという。

 棄教を決断したことは大正解だったと語るミッチェルさんだが、もともとは熱心なバプテスト(キリスト教プロテスタントの最大派閥)。物心がついたときから毎週欠かさず教会に通い、聖書を読み込んで育った。ミッチェルさんはネットメディアのインタビューで自らの半生についてこう語っている。

「信仰こそ、我が人生でした。高校生の頃は反発したこともあったけれど、ティーンエイジャー特有の、無軌道で最悪なセックスを経験してからは、男性と関わることをきっぱりやめたんです。私の恋人はイエス様でした」

 それからミッチェルさんは教えに忠実な“良い子”に徹し、本人いわく「ただの八方美人だった」という。大学に進学してからは、当然のごとく聖書学を専攻した。

「当時は、聖書や賛美歌の一節が書かれたカードを常に持ち歩き、折に触れては読み返していました。とにかく、神の教えに従って“正しい行い”をしたい――。そんな考えに取り憑かれていたんです。」

 ミッチェルさんは大学時代を通じて男性と一切交流を持たず、高校時代から大学卒業までの通算6年間、セックスはおろかキスもしなかったという。男性から告白されたり、求婚を受けたこともあるが、すべて断ってきた。

「誰とも付き合うつもりはありませんでした。婚前交渉は罪深いことだと刷り込まれていたので、セックスに強い恐れを抱いていたんです。それに、何より神様と過ごす時間を奪われたくなかった。だから、適当な理由をつけて断っていました」

 それからミッチェルさんはますます信仰に傾倒し、大学卒業後は神学校に入学。

「当時はもはや、過激派といっていいほど信仰に身を捧げていました。信者たるもの、神学校には全員入学するべきだと真剣に思っていたし、入らない奴は教えと真剣に向き合っていない。『信仰をナメてるのか?』とすら考えていました。」

 ところが、神学校を卒業すると、ミッチェルさんは最初の夫となるジョンさんと出会い、あっさり結婚。3人の子供にも恵まれた。母親になってからも信心は衰えることなく、家族で移り住んだ土地の教会にもすぐ馴染んだという。

「教会には、暇さえあればいつも通っていました。あの教会の牧師たちは、教義について『これはこうなのだ』と断言するのではなく『これはこうかもしれない』と柔軟に考える人々で、馬が合ったんです。」

 するとある日、牧師たちはミッチェルさんにこんな話をもちかけてきた。

「あなたはすでに神学者の域に達している。牧師として活動するべきだと勧められたんです。衝撃でした。私は一介の主婦だと思っていたし、教えに従い“家族と台所を守る”役割に徹するつもりでしたから、まさか牧師になれるなんて思ってもいませんでした。」

 それからミッチェルさんは3年ほど修行に励み、晴れて牧師としてデビュー。毎週、大勢の信者たちを前に神の教えを説いた。牧師としての生活はたいへん充実しており、ミッチェルさんは「これこそ神の思し召し」と思っていたという。しかし、ミッチェルさんの目指す布教活動と教会の間には、徐々に溝が生まれていく。

「ある日の説教で、私の混血としての出自や、母親としての経験から学んだことについて語るつもりだったのですが、その部分を丸ごと削除されたんです。とても重要なことだと思っていただけに、ひどく失望しました。」

 また、ミッチェルさんはこの頃、自分がバイセクシャルであることにも気づく。きっかけは、夫との性生活に不満を抱いたことだ。

「あまりにも禁欲生活が長かったせいで、自分がクィアであることは全く自覚していませんでした。でも、実際にはそうだった。良いセックスと快楽をひたすら求めるクィアな女性、それが私だったんです。説教には、そういった人々を含めて救済したいという思いも込めていたのですが、教会はそれを望んでいませんでした。」

 キリスト教はそもそも保守的な側面が強く、LGBTQや女性に対する価値観は昨今の風潮と相容れない部分が多い。そうして2017年、ミッチェルさんは教会に見切りをつけ、牧師としての職を辞した。

「信仰心はまだ残っていましたが、教会はもう私のいるべき場所ではありませんでした。そうして、33歳にして初めて“自由の身”になったわけですが、正直いって『これからどうしよう?』と思っていました。」

 それまでの人生すべてを信仰に注いできただけに、宙ぶらりんとなってしまったミッチェルさん。しかし、その胸には新たな信念が生まれていた。それは、自分の性癖を受け入れ、心のままに生きることであった。

 実はミッチェルさんは子どもの頃からストリッパーに秘めた憧れを持っていたという。信仰に入れ込んでからはその気持ちを心の隅に追いやっていたが、牧師になることを決めたのも「人前でパフォーマンスする」という点において、ストリッパーと共通点を見出したからだ。

 そこで、ミッチェルさんはまずカメラマンを雇い、プライベートな撮影会を行った。あられもない姿で写真を撮られることは「これまでにない官能的な体験で、最高だった」と振り返る。

 翌週にはヌード写真を撮影し、手応えを感じた。その時点でもう「これで食っていく」ことを考え始め、2019年にサブスクサイト「Onlyfans」でアカウントを開設。その後の成功は、冒頭で触れたとおりである。なお、夫とは2020年に円満離婚が成立し、3人の子どもたちの親権を引き取っている。

「今までずっと『お金を稼ぐことは罪』とか『神様は金の亡者を救わない』と教わってきたけど、私が成功できたのはやっぱり神様のおかげだと思っています。この仕事を愛しているし、私は脱ぐために生まれてきたんだなって心の底から思っています。」

 こうして“聖職者”から“性職者”へ、華麗に転身を果たしたミッチェルさん。教会側から見れば彼女は“堕落”したのかもしれないが、ファンにとってはミッチェルさん自身が“神”で、救済されているのが現実だ。

 どちらが“正しい”かはわからないが、ミッチェルさんは信仰生活を通じてまったく異なる道を見出し、成功した。そして、今も信仰を保っている。宗教は異なるが、これも一種の「悟りの境地」と言えるのではないだろうか。

 現在、Onlyfansとは別に存在するミッチェルさんの公式サイトに登録すると、「クソみたいに金を稼ぐ7つの方法」と題した収益化メソッドを無料で購読できるという。彼女の生き方に説得力を感じた人は、“信者”になることを検討してはいかがだろうか。

参考:「Daily Star」、「The Sun」ほか

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文=ゼロ次郎

2015年からライターとして活動。 得意ジャンルは国内外のB級ニュースや珍事件。「TOCANA」 「実話ナックルズ」「日刊SPA!」を中心に執筆しているほか、 南阿佐ヶ谷のライブハウス「Talking Box」で、出版関係のトークイベントを毎月開催中。
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