地球の自転が加速中、早ければ来月にも「うるう秒」廃止へ… 史上初の「うるう時間」導入なるか

世界中の時計が刻む「秒」の基準が、大きな転換点を迎えようとしている。
地球の自転速度がここ数年で予想外に加速しており、時刻のズレを補正してきた「うるう秒」という仕組み自体の存続が危うくなっているのだ。
パリ近郊で10月に開かれる国際会議では、早ければ来月にもうるう秒の廃止が決定され、代わりに史上初となる「うるう時間」の導入が検討されているという。
地球の自転が「加速」しているという奇妙な事実
地球の自転は、月との相互作用によってこの数十億年にわたり緩やかに減速してきたとされる。
ところがこの減速は決して一定ではなく、地球内部の複雑な運動によって速度が上下に揺らいでいることが分かっている。
とりわけ2015年以降、地球の自転はむしろ加速する傾向を見せており、1日の長さがわずかに短くなる現象が観測されているという。
なぜ地球が急に速度を上げているのか、その具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていない。長期的な減速トレンドの中に潜む、地球内部からの「気まぐれ」とも言える揺らぎが、私たちの時間の基準そのものを揺さぶっている格好だ。
半世紀続いた「うるう秒」に幕が下りるのか
うるう秒は、地球の自転速度と原子時計が刻む正確な時間との間に生じるズレを調整するため、1972年に導入された仕組みだ。
導入以来、追加されたのはわずか27回。近年は地球の自転が加速したことで、むしろ「うるう秒を引く」必要性すら議論されるようになっていた。
国際度量衡局(BIPM)は10月13日から15日にかけてパリ近郊で会議を開き、うるう秒制度の今後を協議する予定だ。
当初はうるう秒を2035年までに段階的に廃止する方針が示されていたが、今回の会議では、それよりもずっと早く、早ければ来月にも廃止が決定される可能性があるという。
秒ではなく「時間」単位でまとめて調整する新提案
うるう秒に代わる案として浮上しているのが、1秒ずつではなく、ズレが3600秒、つまり1時間分蓄積された時点で一気に調整するという「うるう時間」の導入だ。
これが実現すれば、人類の暦の歴史上、初めての「うるう時間」ということになる。
1972年の導入から現在までの半世紀あまりで、うるう秒がわずか27回しか必要にならなかったことを踏まえれば、1時間分のズレが蓄積されるまでには数千年単位の時間がかかると見込まれている。
つまりこの方式が採用されれば、少なくとも私たちが生きている間は、時刻調整そのものを気にする必要がなくなる計算だ。
原子時計という完璧に均質な物差しを人類が手にしてもなお、地球そのものの気まぐれな自転だけは、思い通りに制御できない。
10月の会議で下される結論がどうなるにせよ、私たちが当たり前のように信じている「1日24時間」という感覚は、実は絶えず揺らぎ続ける惑星の上に成り立った、儚い約束事にすぎないのかもしれない。
参考:IFLScience、ほか
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