「王の排泄物係」から「死体泥棒」まで…… 歴史上実在した12のヘンな職業と江戸時代の意外な類似例

歴史上には、聞いただけで二度見してしまうような奇妙な職業が数多く存在した。これは大げさな話ではなく、王侯貴族の暮らしから庶民の生活まで、実際に給料が支払われていた正式な仕事の数々だ。
今回は、そんな歴史上の”ヘンな職業”の中から特に印象的なものを紹介する。調べてみると、江戸時代の日本にも驚くほどよく似た仕事がいくつも存在していたので、あわせて紹介したい。
王侯貴族の”身の回り”を支えた仕事
トイレ番から権力者へ:グルーム・オブ・ザ・ストゥール(イングランド)
イングランド国王の排泄処理を担当した役職。仕事内容自体は下働きだが、王と密接に接することができる立場ゆえに、絶大な政治的信頼を得て国政に影響を与える者もいたという。
毒を防ぐ命懸けの一口:ロイヤル・フードテイスター
王侯貴族の毒殺を防ぐため、食事を先に毒見する専門職。江戸幕府にも「膳奉行(毒見役)」という同様の役職があり、将軍の食事は台所人、男性役人、女性役人、将軍側近と、実に3段階にわたって毒見されていたという。
髪結いは奴隷の仕事:オルナトリクス(古代ローマ)
裕福なローマ女性の髪型やかつらを整えた美容師で、多くは奴隷身分だったとされる。江戸時代の日本にも女性専門の「女髪結い」がいたが、こちらは幕府から「贅沢だ」として寛政・天保の改革でたびたび禁止令を出されながら、庶民に支持され生き延び続けた。
都市の”汚れ仕事”を一手に引き受けた人々
ネズミ捕りの専門家:ラット・キャッチャー(ヨーロッパ)
都市や農場、倉庫のネズミを駆除する専門職。訓練した犬を使う者もいた。江戸時代の日本では駆除より、「石見銀山ねずみ捕り」という猛毒の殺鼠剤を売り歩く行商人が活躍しており、アプローチの違いが興味深い。
墓を暴いて医学校へ:レザレクショニスト(18〜19世紀イギリス)
解剖用の遺体需要の高まりを受け、埋葬されたばかりの遺体を違法に掘り出して医学校に売った者たち。日本では死刑囚の遺体を用いた公式な「腑分け」が行われており、1771年に杉田玄白らが見学した腑分けが『解体新書』誕生のきっかけになった。
下水やテムズ川の泥をあさる:トッシャーズ&マッドラーク(ロンドン)
下水道やテムズ川の干潟に流れ着いた金属やコインを探して生計を立てた人々。江戸の街にも「紙くず拾い」「灰買い」などあらゆる不用品を回収・再利用する専門業者がひしめいており、当時の江戸は世界屈指のリサイクル社会だったとも言われる。
尿の中で布を踏む:フラー(中世〜近世の織物職人)
羊毛布を洗浄・縮絨する職人で、尿や粘土を混ぜた液に浸かりながら作業することもあった。においはきついが、当時の織物産業には欠かせない工程だった。

目覚まし係から実験台まで、体を張った仕事
窓を叩いて回る目覚まし係:ノッカーアップ(英国・産業革命期)
目覚まし時計が普及する前、長い棒や豆鉄砲で労働者の窓を叩いて回り、決まった時間に起こす仕事があった。炭鉱労働者や工場労働者など、早朝出勤が必須の客を専門に相手にしていたという。
自分の足をエサにする:リーチ・コレクター(イギリス・ヨーロッパ)
治療用のヒルを集める仕事で、池に入って自分の脚にヒルを吸い付かせて捕獲することもあったという。集めたヒルは瀉血治療のため医師に販売された。
命懸けの被験者:ヒューマン・ギニーピッグ
医学研究のため報酬と引き換えに実験に協力した被験者たち。現代のような倫理基準が整う以前は、リスクを十分に理解しないまま危険な実験に参加させられることもあったという。
どの仕事も、現代の感覚では真っ先に敬遠されそうなものばかりだ。それでも当時の人々にとっては、暮らしを支える立派な生業だった。
江戸の人々もまた、汚れ仕事や危険な仕事を厭わず引き受けることで独自の社会を回していたと考えると、洋の東西を問わず「誰かがやらなければならない仕事」への向き合い方には、案外共通点が多いのかもしれない。
参考:ODDEE、ほか
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2024.10.02 20:00心霊「王の排泄物係」から「死体泥棒」まで…… 歴史上実在した12のヘンな職業と江戸時代の意外な類似例のページです。仕事、江戸時代、歴史などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
