悪魔崇拝カルト「764」、10歳の子どもをゲームで標的に──英警察が警告

イギリスで、わずか10歳の子どもたちがテロリズムと、捜査当局が「悪魔崇拝(サタニック)」と呼ぶ不気味なネットワークに引きずり込まれている──。英国の治安当局トップが、そんな警告を発した。舞台となっているのは、子どもたちが日常的に出入りするオンラインゲームやチャットのプラットフォームだという。
テロ容疑者の「5人に1人」が子どもという異常
警告を発したのは、英国のテロ対策警察を率いるローレンス・テイラー警視長だ。情報同盟「ファイブ・アイズ」の会合で語ったところによれば、英国でテロ関連の容疑により逮捕された子どもは40人にのぼり、これは逮捕者全体の5人に1人に相当する。10年前は20人に1人だったというから、比率は一気に跳ね上がったことになる。
過激化を未然に防ぐための政府プログラム「Prevent(プリベント)」には、10歳の子どもまでが対象として上がっているという。テロや暴力、性的犯罪に関わる人間の低年齢化が、統計の上でもはっきり表れている、というのがテイラー氏の見立てである。
日本では「テロと子ども」がここまで直結する感覚は薄いが、オンライン上で見ず知らずの大人が子どもに接触し、思想や行動を誘導していく構図そのものは、決して海の向こうだけの話ではない。
「764」──ゲームの陰に潜む“悪魔崇拝”ネットワーク
数ある脅威のなかでも、捜査関係者がとりわけ警戒しているのが「764」と呼ばれるオンライン上の集団だ。投資家らからは悪魔崇拝カルトとも形容されるこのネットワークは、年少の子どもを標的に定め、脅迫によって性的な画像を送らせたり、自傷行為を強要したりしているとされる。
ネーミングといい手口といい、いかにも都市伝説めいた響きだが、これは掲示板の与太話ではなく、各国の治安機関が実在の脅威として名指ししている対象である。
英政府のPreventプログラムに紹介された約3000人が、オンラインゲームのネットワーク上で勧誘・接触を受けていたと明かしているという数字も、事態の広がりを物語っている。
8歳児まで標的に、そして「闇」から「表」へ
事態の深刻さは、国家犯罪対策庁(NCA)のグレアム・ビガー長官の証言とも一致する。同氏によれば、捜査の現場に上がってくる子どもの年齢は年々下がっており、つい先日も8歳の子どもがゲームを通じて勧誘を受けたケースが持ち込まれたばかりだという。しかも、それは例外的な事案ではないとされる。
数週間前には、銃器を密輸しようとした15歳を逮捕せざるを得なかった例もあったという。多くの場合、子どもは「被害者」だが、加害する側にまわるケースも出てきており、その年齢もまた下がり続けている、とビガー氏は語る。
さらに不気味なのは、加害者たちが従来の「ダークウェブ」を離れ、あえて一般のインターネット上で活動し始めているという指摘だ。匿名性をより高めるための“逆転の発想”だという。NCAの数字によれば、英国ではこの種のオンライン上の性的加害者がおよそ月1000人ペースで摘発されている。
子どもが当たり前のように触れているゲームやチャットの向こう側に、こうした影が潜んでいる──。「悪魔崇拝」という言葉の不気味さに目を奪われがちだが、本当に警戒すべきは、その入り口がどこにでもある日常の延長線上にある、という事実のほうかもしれない。
参考:Daily Star、ほか
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