「シンプソンズの予言」はなぜ当たる? 生みの親マット・グレイニング氏が明かした秘密とは

長寿アニメ『ザ・シンプソンズ』には「未来を予言するアニメ」という都市伝説がある。
ディズニーによるFOX買収、トランプ大統領の誕生、女子カーリングの金メダル——本当に「的中率」が高すぎるのだ。
その謎に、生みの親であるマット・グレイニング氏自身がついに答えた。舞台はコナン・オブライエン氏のポッドキャスト「Conan O’Brien Needs A Friend」。飛び出した種明かしは、拍子抜けするほどシンプルなものだった。
「ディズニー傘下」「スマートウォッチ」「金メダル」——伝説の的中事例
『シンプソンズ』の”予言”としてよく語られるのが、シーズン10に登場したある看板だ。
「Division of Walt Disney Co.(ウォルト・ディズニー社の一部門)」——FOXがディズニー傘下になることを、実際の買収より何年も前に描いていたとして話題になった。
シーズン19では、大人になったリサとその婚約者が登場する未来のシーンで、現在のスマートウォッチやビデオ通話アプリ「FaceTime」を思わせる技術が使われていた。
さらにシーズン21では、まだ実現していなかった米国女子カーリングチームの金メダル獲得までもが描かれている。こうした事例が積み重なり、「シンプソンズは未来を知っている」という都市伝説が育っていった。
グレイニング氏が語った「ネタを大量生産するビジネス」の実態
グレイニング氏がポッドキャストで語った種明かしは、オカルト的な期待を軽やかに裏切るものだった。
同氏は自分たちの仕事について、次々とネタやギャグを大量に生み出し続ける「量産型のビジネス」だと説明したという。
例として挙げたのが、2000年代初頭に書かれたある回のジョークだ。ドナルド・トランプ氏が大統領に就任するという、当時は完全にギャグとして描かれた設定が、はるか後になって現実の出来事として的中してしまったというのである。

外れた予言は数え切れないほどある
グレイニング氏がさらに強調したのは、「当たった予言」の裏には、それを上回る数の「外れた予言」が存在するという事実だ。
同氏が引き合いに出したのは、トランプ氏就任のジョークと同じエピソードに描かれていた、もう一つの未来予測だった。そこではリサ・シンプソンが米国大統領に就任する未来が描かれていたが、現実にはいまだ実現していない。
長年の放送で番組は膨大な数の「未来ネタ」を生み出してきたが、その大半は現実と噛み合わないまま忘れ去られる。宝くじの当選者だけが取材されるように、当たった一部分だけが「予言」として後から切り取られ、語り継がれているに過ぎない。
タネ明かしされてもなお色褪せない魅力とは
種明かしされてしまえば身も蓋もない話ではある。だが、それでも『シンプソンズ』の”予言”が長年にわたり世界中のファンを騒がせてきたことに変わりはない。
数十年分のエピソードという膨大な「試行回数」があったからこそ生まれた偶然の産物だとしても、その偶然を拾い上げて楽しむ想像力こそが、都市伝説を都市伝説たらしめる原動力なのかもしれない。
TOCANA的まとめ
種明かしは拍子抜け。だが待ってほしい。
要は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」。数百話ぶんの”未来ネタ”を撃ち続ければ、何発かは現実に命中する。私たちは当たった1発だけを見て「予言だ!」と騒ぎ、外した弾は忘れている。それだけの話かもしれない。
しかも”的中事例”も玉石混交。「ディズニー傘下」の看板はシーズン10に実在した。だが「スマートウォッチ」の類は”未来っぽいガジェット”を後から拡大解釈しただけともいえる。トランプ大統領に至っては「こんなのありえない(笑)」というギャグで、予言どころか意図は真逆であったのかもしれない。
……それでも次の”予言”が掘り起こされたら、我々はまたワクワクするのだろう。人間とはそういう生き物である。
参考:LADbible、ほか
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