アメリカ各地で謎の「重低音ハムノイズ」が発生中!? 住民を不眠とパニックに陥れる“巨大なエンジン音”の正体とは

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「ブゥゥゥゥン……」

 昼夜を問わず、家の中まで響き渡る謎の重低音。窓を閉め切っても耳の奥を圧迫し、ベッドのマットレスを微かに振動させるその音に、アメリカ各地の住民たちが悲鳴を上げている。

 ニュージャージー州、バージニア州、コネチカット州など、複数の州で同時多発的に報告されているこの「謎のハムノイズ(Humming noise)」。かつてオカルト界隈を騒がせた「アポカリプティック・サウンド(終末の音)」の再来か? と思いきや、今回の騒動の震源地には、ある現代的な“巨大施設”の影が見え隠れしている。アメリカを覆う不気味なノイズの正体とは。

街を飲み込む巨大データセンターの脅威

 ニュージャージー州バインランドの住民、スコット・モンゴメリー氏は怒りを隠せない。

「まるで巨大なエンジンがずっとアイドリングしているような音だ。夜も眠れない。しかも、まだ施設は建設途中なんだ。本格稼働したらどうなってしまうんだ?」

 彼が指差す先にあるのは、建設中の約24万平方メートル(東京ドーム約5個分)という超巨大なデータセンターだ。

 現代社会の血流とも言えるインターネットやAIを支えるため、こうしたデータセンターは24時間365日、フル稼働し続けている。そして、数千台のサーバーが発する膨大な熱を冷ますため、巨大な冷却ファンやチラー(冷却水循環装置)が絶え間なく回り続けているのだ。

 専門家によれば、これらの設備が発する55〜85デシベルの低周波音は、遠くまで減衰せずに届きやすく、家屋の壁を通り抜けて人々の三半規管を直接揺さぶるという。

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画像は「Daily Mail Online」より

「宇宙の音」ではなく「AIの産声」?

 もちろん、企業側は「騒音規制はクリアしている」と主張し、自治体の保健局も「調査中」とするにとどめている。しかし、住民たちの体調不良は深刻だ。

 コネチカット州ウェストヘイブンでは、2020年頃から謎のハムノイズに悩まされ続けた住民たちが署名を集め、市議会を動かして約1万6000ドル(約250万円)の予算を組み、独立した音響調査会社を雇う事態にまで発展している。この地域にも、やはり複数のデータセンターが点在している。

 世界最大のデータセンター密集地であるバージニア州でも、「データセンターのすぐ近くに住んでいるが、本当にうるさい。こんな騒音と一緒に生きていくべきではない」と住民から悲鳴が上がっている。元NASAのアナリストであるジョン・ライバー氏も独自に騒音を測定し、「誰もが想像していたよりも遥かに酷い騒音だ」と警告している。

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人類はテクノロジーの「音」に耐えられるか

 かつて世界中で報告された「謎のハムノイズ」や「空から聞こえるラッパの音」は、地球の地殻変動や宇宙線の影響、あるいはUFOの推進音ではないかとオカルトファンを熱狂させた。

 しかし今回アメリカを覆っているノイズは、より現実的で、ある意味で恐ろしい原因を持っている。我々がスマホでSNSを見たり、AIに質問を投げかけたりするたびに、どこかの街で巨大なファンが回り、誰かの睡眠を奪っているのだ。

 見えないデータが飛び交う現代社会において、この「低周波のうなり声」は、ある意味でテクノロジーそのものの産声(あるいはイビキ)と言えるかもしれない。

 あなたの家の近くに巨大な四角い建物が建設され始めたら、耳栓と睡眠薬の準備をしておいたほうがいいかもしれない。未来の音は、決して静かではないようだ。

参考:Daily Mail Online、ほか

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