警察官が「光る十字架型UFO」をパトカーで追跡!? 1967年に起きた未確認飛行物体遭遇事件の全貌

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 UFO目撃談の信憑性を左右するのは、しばしば「何を見たか」よりも「誰が見たか」である。深夜の酔客の与太話か、それとも職務中の公務員による報告か。

 1967年10月、イギリス南西部デヴォン州の暗い田舎道で、制服姿の警察官2人がパトカーを飛ばし、謎の発光体を20km以上も追いかけ回す事件が起きた。彼らが追ったのは、翼も音も持たない「光る十字架」だったという。

午前4時1分、木立の上に現れた「羅針盤の十字」

 記録に残る時刻は1967年10月24日午前4時1分。舞台はハザーリーとホルスワージを結ぶA3072号線という道路だ。

 パトロール中だった警察官ロジャー・ウィリーとクリフォード・ウェイコットの前方、およそ400ヤード先の木立の上空に、突然まばゆい光を放つ物体が現れた。

 ウィリーはその形を、羅針盤の方位を示す線が一点で溶け合ったような発光する十字だったと説明している。一方のウェイコットは、輪郭が水滴のついたガラス越しに見たようにぼやけていたと述べた。

 奇妙なのは、航空機の条件をことごとく外していた点である。翼も、航空機なら必ず備えている航行灯の点滅も、胴体と呼べる構造も識別できなかった。

 しかも木々のすぐ上という低高度にありながら、エンジン音もローター音も一切聞こえなかったという。

時速90マイルでも詰まらない距離、そして23分後の「2機目」

 2人はオークハンプトン署に無線で状況を伝えたうえで、追跡を開始する。ここから事態は妙な展開を見せた。

 ウィリーがアクセルを踏み込むと、光る十字はまるでそれを待っていたかのように動き出したのだ。追跡距離は約22km、パトカーの速度は時速140km近くに達したが、物体は常に数百メートル以上の間合いを保ち、決して距離を詰めさせなかった。

 ウェイコットは、その加速の仕方が尋常ではなかったと語っている。排気炎のようなものも見えず、轟音も伴わないまま、瞬時に速度を上げたというのだ。

 物体は低速で漂うかと思えばぴたりと静止し、次の瞬間には跳ぶように加速する。空に貼りついた固定光ではなく、景色に対して確かに移動していた。

 ウィリーは後年、物体が意図的にパトカーの前方位置を保っていたように思えたと明かしている。ウェイコットに至っては、それを操る何らかの知性がパトカーを認識し、こちらを観察するために位置取りしていたのではないかとまで語った。

 午前4時23分頃、同じ空域に2機目の十字形物体が姿を見せる。白く発光し、やはり無音だったという。

 目撃者は警察官だけではなかった。29歳の運転手クリストファー・ガーナーは、路肩に停車中に同じ物体を目撃しており、証言内容は2人の説明と符合している。彼は当時の体験を、悪夢の中に閉じ込められたようだったと振り返った。ダートムーアの送信所の技術者からも、同じ時間帯の異常な物体について報告が上がっている。

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国防省が持ち出した「金星説」と、半世紀を超えて変わらない証言

 事件は国政の場にも持ち込まれた。同年11月8日、トリントン選出の下院議員ピーター・ミルズが国防省に質問し、通常の航空機より大きな星形の十字が低空を飛び、1時間以上観測されたと指摘したのだ。

 答弁に立った国防相次官のマーリン・リースは、複数の報告が寄せられた事実を認めつつ、その多くは金星の見間違いだろうとの見方を示す。ただし、光源の一部は特定に至っていないことも同時に認めた。

 もっとも、金星説には当初から無理があると指摘されてきた。木立のすぐ上を1時間以上も移動し続ける光を惑星で説明するのは難しい。

 軍の演習機や実験機、民間機との照合結果は公表されず、レーダーデータも出てこなかった。2機目に至っては説明そのものが存在しない。国防省が保管していた当時のUFO関連ファイル(AIR 20/11612)の公開は、事件から30年以上が過ぎた1999年である。

 2人は現職の警察官として、事件直後に制服姿のままテレビカメラの前に立った。そして数十年が経過しても証言の骨格は変わっていない。本を出して話を膨らませることも、講演で稼ぐこともなかった。ウィリーは前後に類似の現象を見た経験はないと語り、ウェイコットは納得のいく説明を受けたことは一度もないと言い続けている。

 この年の10月、イギリスでは各地で似た物体の報告が相次いでいた。その中でデヴォンの一件だけが半世紀以上も語り継がれているのは、追跡距離の長さでも光の形の奇抜さでもないだろう。金星に14マイル追いかけ回されたにしては、あまりに具体的に語った警官が2人いたからに違いない。

参考:Above the Norm News、ほか

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