意識のある心臓手術中、指に触れた「ローブの裾」—— 看護師が「死は終わりではない」と確信した理由

臨死体験を語る人々の証言には、共通するパターンがあるとよく言われる。まばゆい光のトンネル、過去の記憶が走馬灯のように蘇る感覚、そして光の向こうで待つ懐かしい誰か——。
だが、2児の母親であり看護師として働いていたキャンディス・パーチェス氏が体験したのは、意識がはっきりとある状態のまま、手術台の上で「別の空間」に迷い込むという、少し毛色の違う出来事だった。
意識のある心臓手術中、突然訪れた「別の空間」
キャンディス氏は肺塞栓症と複数回の脳卒中を経て、心臓の上部にある二つの部屋の間に隙間があると診断された。これを塞ぐための経皮的卵円孔開存(PFO)閉鎖術という処置を受ける必要があったが、この手術は完全に意識を失う麻酔ではなく、意識がある状態のまま受けなければならないものだったという。
外科医が脚の動脈からカテーテルを心臓に向けて進めていくその最中、キャンディス氏は一瞬にして自分が「別の空間」にいることに気づいたという。恐怖に震えながらも、今まで見た中で最も大きく、最も明るい白い光を目撃し、平和と愛に包まれる感覚に満たされたと振り返っている。
指に触れた「ローブの裾」——幼子になった自分と導き手
その空間には、思考も恐れも悩みもストレスも一切なかったという。気づけば大きな存在の足元に座っている自分がおり、彼女はこの存在を「ガイド」だと信じているという。
この体験は精神的な感覚にとどまらなかった。指の間に緩い布のような感触を物理的に感じ、その存在のローブの裾に触れているように思えたという。さらにもう一つ別の気配も感じ取り、自分自身を見下ろすと、その姿は幼い子どものように変わっていたそうだ。
その存在が頭上から近づいてくる感覚を覚えた直後、手術台の上で意識を取り戻し、医師から大丈夫かと声をかけられた。しかし何を体験したのか尋ねられても、当時は言葉にできなかったという。信じてもらえないことを恐れ、その後何ヶ月も誰にも語らなかった。
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死は「終わり」ではない——看護師から霊視の仕事への転身
この一件を経て、キャンディス氏は人生には物質的な日常を超えた「より深い意味」があると信じ、死は終わりではないという確信を持つに至ったという。この体験は、もともとの信仰をさらに強めるものにもなったという。
彼女いわく、人は死を迎えるとき、怒りも悲しみも執着も、物質的なものは何ひとつ持っていけないという。そこにあるのは完全な平穏と深い愛に包まれる感覚だけで、それはまるで「家に帰ってきた」ような心地だったそうだ。出産中に一時的に「死んだ」後、死への恐怖を失ったという別の女性の証言も伝えられている。
現在、キャンディス氏は看護師の仕事を辞め、ヒーリング関連の仕事に転向。「エビデンシャル・ミディアム(証拠に基づく霊媒師)」として、顧客に霊視リーディングを提供しているという。
死に近づいた際に報告されることが多いこうした体外離脱体験(OBE)は、学術的にも一定の関心を集めてきた現象だ。自分の意識が身体の外にあると感じ、身体から分離した「もう一人の自分」を観察者のように体験する点が特徴とされる。心理学系メディアによれば、OBEのデータは十分ではないものの、人口のおよそ5%が生涯に一度はこの種の体験をするとの推定もあるという。
意識を失うことなく手術台の上で「別の空間」を見たキャンディス氏の証言は、脳が生み出した幻影なのか、それとも死の淵で垣間見えた何かの実在なのか。真相はいまだ検証のしようがない。ただ、彼女がその日以来、死への恐れではなく穏やかな確信を胸に生きているということだけは、確かなようだ。
参考:Daily Star、ほか
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