【TOCANA的UMAファイル #09】「マツドドン」 ── 何でも“すぐやる”はずの役所が、名前だけつけて放置した怪獣

千葉県松戸市には、市民のどんな困りごとにも即座に駆けつけることで知られる名物部署がある。その名も「すぐやる課」。ところが1972年に江戸川へ現れた謎の生物にだけは、名前をつけたきり、肝心の正体究明を半世紀以上も放ったらかしにしている。その生物の名は、マツドドンという。
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基本データ
名前:マツドドン
生息地:千葉県松戸市・江戸川(古ヶ崎水門付近)
初出:1972年(秋ごろ、と伝わる)
姿:体長約2メートル、丸顔で赤ら顔、ひげを生やし、体は「ぬめっ」としていたという。鋭い牙をのぞかせ、二本足で直立していたとの証言もある。鳴き声はネコに似ていたとも
由来:「松戸に現れ、トドに似ている」という理由で、松戸市役所の名物部署「すぐやる課」の職員が命名したと伝わる
事件簿
最初の目撃は1972年秋ごろ、江戸川の古ヶ崎水門付近だったと伝わる。丸顔で赤ら顔、ひげを生やした体長2メートルほどの生き物が、ぬめった体を見せて水面を進んでいた。市役所には目撃情報が寄せられ、職員が現地入りする騒ぎになったという。
この生物に「マツドドン」の名を与えたのは、市役所の中でもひときわ名の知れた部署「すぐやる課」だったと伝わる。「松戸に現れて、トドに似ているから」という、身も蓋もない理由だという。
すぐやる課は1969年、当時の松戸市長の発案で誕生した部署で、「たらい回しの排除」を掲げて評判を呼び、1975年までに全国315の自治体で同様の部署が設けられるほどの、いわば全国区の”有名部署”だった。
目撃から38年後の2010年10月、UMA研究家の中沢健氏が同じ古ヶ崎水門付近で”再遭遇”する。10数メートル先の川面を進む茶褐色の塊を目視し、撮影にも成功したという。ただしその姿を確認できたのは20秒に満たなかったといい、中沢氏は「水棲哺乳類のハイブリッドではないか」という仮説を提唱するにとどまった。
ホントカナ?
正体候補は大きく割れている。一方は、河口から迷い込んだアザラシやアシカなど鰭脚類とする説。もう一方は、マスクラットやヌートリアなど外来の水棲齧歯類を見間違えたとする説だ。もっとも後者については「体が小さすぎるのではないか」という指摘もあり、どちらも決め手に欠ける。
この件の最大の矛盾は、生物そのものより「すぐやる課」の側にある。市民のどんな些細な困りごとにも即応する、という評判だけで全国315の自治体に模倣されるほどの部署が、自分たちで名づけた怪獣についてだけは、半世紀以上も”その先”に一切手をつけていない。2010年の”再調査”にしても、動いたのは一人のUMA研究家であり、目視できたのはわずか20秒足らずだったという。日本一”対応が早い”看板を掲げる役所のお膝元に、日本でも指折りに”手つかず”のままの生物が半世紀以上も棲みついている──これほど皮肉な取り合わせも、そうそうない。
TOCANA的まとめ
松戸には、クッシーやイッシーのような銅像も、専用のゆるキャラも用意されていない。マツドドンは今も、ネット記事とお役所の逸話の中だけで静かに語り継がれている、地味なUMAである。
だが、その地味さこそが、実は松戸らしいのかもしれない。「困りごとには何でもすぐ駆けつける」を看板にした街が、半世紀以上前に一度だけ現れた珍客には、名前だけつけて、あとは気長に見守り続けている。この緩急の同居ぶりこそが、いかにも”すぐやる課のある街”らしい鷹揚さだ。江戸川のほとりを歩く機会があれば、古ヶ崎水門のあたりで、少しだけ川面をのぞいてみてほしい。
トリビア
マツドドンを名付けた「すぐやる課」を発案したのは、当時の松戸市長・松本清である。実はこの人物、全国チェーンのドラッグストア「マツモトキヨシ」の創業者その人だ。つまり、日本中の街角で毎日目にしているあの店名の生みの親が、江戸川の怪獣にも名前をつけていたことになる。
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2024.10.02 20:00心霊【TOCANA的UMAファイル #09】「マツドドン」 ── 何でも“すぐやる”はずの役所が、名前だけつけて放置した怪獣のページです。千葉県松戸市、UMA、TOCANA的UMAファイルなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで