50億年後に太陽が地球を飲み込むより先に来る!? 古生物学者が警告する「パーフェクトストーム」の正体

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 人類が滅びるとしたら、その引き金は何か。多くの人がまず思い浮かべるのは、巨大隕石の衝突か、あるいは太陽が寿命を迎える瞬間だろう。

 だが、オーストラリアの古生物学者は、そのどちらよりもはるかに早く訪れうる「別のシナリオ」に警鐘を鳴らしている。彼が使ったのは、気象用語から借りた不穏な一語だった。「パーフェクトストーム」——複数の悪条件が同時に重なり、単独では起きえない規模の破局を生む状態を指す言葉である。

太陽は現在の200倍に膨張し、地球の軌道まで届く

 太陽系の中心に鎮座する太陽は、灼熱のプラズマでできたほぼ完璧な球体だ。質量のおよそ4分の3を水素が占め、残りの大部分はヘリウムが占めている。

 その内部では毎秒およそ6億トンの水素がヘリウムへと変換され、毎秒400万トンの物質がエネルギーへと姿を変えて地上の生命を支えている。40億年以上ほとんど姿を変えていないこの天体を、NASAの専門家たちは「すでに一生の折り返し地点あたり」と見ている。

 物理学者のブライアン・コックス氏は、BBCの番組「Empire of the Sun」でその先に待つ光景を語っている。太陽は主系列星として少なくともあと50億年は水素を燃やし続けるが、燃料が尽きればコアは崩壊し、外層が膨張して色が変わる。水星は膨れ上がった赤い太陽に飲み込まれ、記憶の中の存在になる。

 太陽は現在の200倍にまで膨張し、地球の軌道にまで手を伸ばす。赤色巨星となったその姿はごく短い瞬間だけ現在の2000倍の明るさで輝き、やがて外殻を脱ぎ捨てて冷えたコアだけを残す——コックス氏は2010年の時点でそう説明していた。惑星の大気を舞ったオーロラも、地上の生命を支えた光も、そのとき失われる。

 ただし、それは50億年先の話だ。

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二酸化炭素と気候は、いつも「セット」で動いてきた

 オーストラリア・メルボルン博物館で無脊椎動物古生物学を専門とするロルフ・シュミット博士は、太陽の終焉を待つまでもなく人類を消し去りうる出来事があると指摘する。

 Amazon Prime の番組「The Next Extinction Event」に出演した同氏は、大気中の二酸化炭素濃度と気候のあいだには確固たる結びつきがあると語っている。

 ただし、その因果関係は一方向ではない。大規模な火山活動が先に温暖化をもたらす場合もあれば、地球の公転軌道の形が周期的に変化し、受け取る太陽放射が変わることで寒暖のスイッチが入る場合もある。

 いずれにせよ両者は密接に連動しながら過去の激変を引き起こしてきた。そして急激な気候変動が起きたとき、生物は往々にして適応が間に合わない。地球の歴史に刻まれた大量絶滅の痕跡は、そうして生まれてきたと考えられている。

過去5回の大量絶滅と、今の状況は「質」が違う

 シュミット博士が本当に危惧しているのは、気候変動そのものではない。種の絶滅速度が「バックグラウンド絶滅率」と呼ばれる通常水準を超えると、大量絶滅の明確な兆候が現れ始める。そして現在の変化の速度は、生物が適応できる速度をすでに上回っているのではないか。そうした見方が浮上している。

 過去の大量絶滅では、巨大隕石の衝突や急激な気候変動といった「たった一つの巨大な要因」が主役だった。だが今回は違う。人類が引き起こす気候変動に加え、森林破壊、都市の無秩序な拡大、生息地の分断。これらが同時多発的に進行し、生物が適応するための余地そのものを奪っている。単独では致命傷にならない要因が束になって襲いかかる、まさに「パーフェクトストーム」である。

 もっとも、こうした警告に対しては、生物多様性の損失を過去の大量絶滅と同列に並べるのは早計だとする慎重な見方も存在する。地質学的スケールで見た絶滅率の評価には、依然として大きな幅があるのも事実だ。

 太陽が地球を飲み込むまでには、まだ50億年という気の遠くなる猶予がある。だが、恐竜を消し去った隕石が空から降ってこなくとも、舞台は静かに整いつつあるようだ。過去の大量絶滅を化石から読み解いてきた研究者が、次の「主役」として人類自身の名を挙げている。その意味を、私たちはまだ十分に理解できていないのかもしれない。

参考:Daily Star、ほか

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