『人体発火現象』はなぜ起こるのか? 体から“可燃性のガスと液体を出す”特異体質!?

 この度、かねてよりTOCANAと関わりのある出版社の彩図社様から、2021年に発売された『怪しい噂の真相 禁断の雑学』の使用許諾をいただいた。まさに怪しい噂、雑学が目白押しの一冊には、知っているようで知らない興味深い知識が散りばめられている。今回は特別にTOCANA編集部おすすめの話題を抜粋して紹介する。

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画像は「Pixabay」より

人体が突然発火する現象はなぜ起こる?

 火の手もないのに人間が燃え上がる人体発火現象は、今なお解明されていない超常現象だ。最初に記録されたのは、1951年7月1日に起きたメアリー・リーサー夫人の焼死事件。息子が夫人の宅を訪ねたとき、椅子の上で焼死している彼女が見つかった。死体は大部分が焼け落ち、残っていたのは右足だけだったという。同様の現象は19世紀から確認されており、インドの乳児ラフールのように炎上を複数回経験した人物もいる。

 この現象には、「人間は燃えても燃焼範囲は極めて狭い」という共通点がある。リーサー夫人の事件では、数十センチ先の新聞紙にすら燃え移っていなかった。他の事件でも大規模炎上が起こることは稀で、髪や体の一部だけが燃える局地的現象も珍しくない。これらのことから、人体発火の原因は人間の体内にある可能性が非常に高い。

 ではなぜ炎上するのか? 19世紀には過度の飲酒でアルコールが染み込んだせい、というユニークな仮説もあった。体の脂肪が暖炉やストーブの熱で燃焼したという説が最も科学的だが、火元のないケースでは説明がつかない。

 近年注目されているのは、特異体質説である。被害者は体内で可燃物質を作る体質があり、それが熱気に刺激されて引火したというわけだ。実際、ラフールも毛穴から可燃性のガスと液体を出す体質だったことが判明しており、自然発火の原因を究明するカギとして注目されている。

(文:黒い雑学研究会)

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