地下鉄で寝ていた女性が火をつけられて死亡…凶悪すぎる放火殺人事件が発生=ニューヨーク
クリスマス目前、華やかさに包まれるはずのニュヨークで、無差別な暴力により市民の不安が高まっている。
本来は安全であるはずの公共交通機関で起きた卑劣な犯罪に、ニューヨーク市民は深い衝撃を受けている。12月22日の朝、ブルックリンのコニーアイランド・スティルウェル駅で、乗客が寝ている最中に放火され死亡するという痛ましい事件が発生したのだ。
冷徹な犯行の一部始終
事件は午前7時30分頃、停車中の車両内で発生した。グアテマラからの移民とされる容疑者は、車両の端に座っていた女性に近づき、ライターとみられる物で被害者の衣服に火をつけた。目撃者の証言によると、衣服は数秒のうちに炎に包まれたという。
巡回中の警察官がいち早く煙と炎に気付き現場に駆けつけたが、消火時には既に手遅れで、女性は現場で死亡が確認された。
ジェシカ・ティッシュNYPD(ニューヨーク市警)コミッショナーは「一個人が犯し得る最も非道な犯罪の一つであり、罪のない市民の命を奪った」と強く非難した。
監視カメラの映像には、容疑者が冷静に炎に包まれる被害者を見つめる様子が捉えられていた。さらに驚くべきことに、容疑者は事件後もホーム上のベンチに座り続け、警察官から立ち去るよう指示されるまでその場に留まっていたのだ。
市民と警察の連携で早期逮捕
捜査の進展に大きく貢献したのは、3人の高校生による通報だった。彼らは容疑者をヨーク・ストリート駅で目撃し、すぐに警察に連絡。警察はヘラルド・スクエア駅で列車を停止させ、事件当時と同じグレーのパーカー、ウールの帽子、塗料が付着したズボンを着用していた容疑者を逮捕した。逮捕時、容疑者のポケットからはライターも発見された。
深刻化する地下鉄の治安問題
この事件は、NYの地下鉄における治安悪化の象徴的な出来事となった。統計によると、2024年9月時点での地下鉄における殺人事件は8件で、前年同期の5件から60%増加している。キャシー・ホーチュル知事は地下鉄の安全対策として州兵1,000人を追加配備し、1億ドルを投じた警備強化を実施しているが、市民の不安は依然として強い。
さらに痛ましいことに、この事件の24時間以内に、別の地下鉄路線でも5人の乗客間の口論が刺傷事件に発展し、1名が死亡する暴力事件が発生している。
39歳の建設マネージャー、アレックス・グレイエフ氏は、ワシントン・ポスト紙に「70年代に逆戻りしているという声をよく聞く。強盗、殺人、喧嘩、銃撃事件が本当に日常的になっている」と語り、治安状況の悪化を憂慮している。
クリスマスを目前に控えた時期に発生したこの痛ましい事件。容疑者は2018年6月にアリゾナ州で入国管理当局に拘束された記録があり、当局は容疑者の在留資格の確認を進めているようだ。無差別な暴力から市民の安全をいかに守るか、NYは深刻な課題に直面している。そして日本においても、このような事件は対岸の火事ではないかもしれない。
参考:New York Post、Disclose.tv、ほか
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