ドアが閉まった瞬間、店は「50年前の廃墟」に変わった… 1920年代の紳士とドライブした若者たちを襲った時空のバグ

ドアが閉まった瞬間、店は「50年前の廃墟」に変わった… 1920年代の紳士とドライブした若者たちを襲った時空のバグの画像1
イメージ画像 Created with AI image generation

 心霊体験と違い、「タイムスリップ」の証言には決定的な弱点がある。本人が異常に気づくのは、たいてい全てが終わった後だからだ。

 米バージニア州の田舎道で起きたこの一件も例外ではない。19歳と20歳の若者2人は、深夜まで一緒に飲み歩いた相手が「何十年も前の人間」だった可能性に、店が廃墟に変わる瞬間まで気づかなかったという。

給油機の脇に立っていた「シルクハットの男」

 数年前のある夜、証言者の男性は従兄弟のPJと2人で、土地勘のない隣の郡を車で流していた。酒を飲みながらの夜のドライブは彼らの日常で、その晩も変わったところはなかった。

 午後9時ごろ、用を足したくなった2人は道沿いの古い雑貨店に立ち寄った。田舎で古びた店を見かけるのは珍しくないが、その店は古風でありながら手入れが行き届き、ちょうど閉店作業の最中に見えた。

 店先には数人の客と子どもたちがいた。その服装は1920年代のものに見えたが、そのときは気に留めなかったという。入口は網戸、給油機は旧式のポンプだった。

 その給油機のそばに、身なりのいい男が立っていた。20代後半とみられ、分けた黒髪の上にシルクハット。濃い赤のサスペンダー、ネクタイ、革靴。身長はおよそ183センチ。物静かで人当たりがよく、佇まいが昔のイタリア系マフィアを思わせたという。

 男は店を閉めるところだと告げ、終わったら一杯やるつもりだと話した。酔って気が大きくなっていた2人はその場で彼をドライブに誘い、男は応じて車に乗り込んだ。

ドアが閉まった瞬間、店は「50年前の廃墟」に変わった… 1920年代の紳士とドライブした若者たちを襲った時空のバグの画像2
イメージ画像 Created with AI image generation

車のドアが閉まる音、そして店は朽ち果てていた

 男が持っていたワインらしき酒に、2人も口をつけた。あの独特の風味を後にも先にも味わったことがないと証言者は述べている。

 行き先は男が指示した。知らない道を言われるまま走り続ける。男は、あの店は一族が代々受け継いできたもので自分もそこで働いていると語った。家族を誇らしげに話す穏やかな人物だったが、飲酒は家族に隠していること、いまが人生の苦しい時期であることもにじませたという。

 5〜6時間が過ぎたころ、男は沈み込み、店に戻してほしいと言い出す。帰路も指示に従ったが、往路とはまったく違う道だった。

 店に着くと、男は鍵を開けて中に入れてやると言って車を降りた。後部ドアが閉まる音がした。

 その直後、2人が周囲を見回すと、店は完全に朽ち果てていた。草は伸び放題、窓は割れ、給油機は錆びついて壊れている。男の姿はどこにもない。ただ、男が持っていた茶色の紙袋だけが後部座席に残っていたという。

 時刻は午前3時か4時。ガス欠寸前で現在地も分からないまま、2人はどうにか別のガソリンスタンドを見つけて帰り着いた。

 後日、母親にこの話をすると、心当たりのある店を挙げ、そこは1970年代から閉まったままだと答えたという。PJの受けた衝撃はより深刻で、長く眠ることも食べることもできず、今も彼の前でこの話題は出せない。

カリフォルニアの古写真に写っていた男

 体験が表に出たのは、証言者の婚約者が細部を聞き出したことがきっかけだ。彼女は話を聞きながら1920年代のファッションや雑貨店の写真をネットで探していた。

 そのうちの一枚、カリフォルニアの果物会社にまつわる古い記録写真を開いた瞬間、彼は写っている人物を指して間違いなくあの男だと断言した。婚約者によれば、彼は目に見えて震え出し、明らかに怯えていた。

 元の報告ではこの人物は「アレックス・ランバド」と記されていたが、企業の公式な沿革では「アレックス・サンバド」となっている。1920年代のサンフランシスコで食料品店を営み、のちにカリフォルニア州リンデンへ移って一族の農業ビジネスを興したイタリア系移民だ。ただし、バージニア州との接点を示す記録はない。

 2人は店に着く前から飲み、男と合流してからも飲み続けている。本人はほろ酔い程度だったとするが、知覚も記憶も時間感覚もアルコールの影響を受けていた可能性は否定できない。

 見知らぬ道を他人の指示で5〜6時間走った以上、営業していた店と廃墟が同じ建物だったのかも確かめようがない。住所もルートも残らず、紙袋の中身や行方、PJ本人の証言も存在しない。写真にしても、「この顔だ」という直感は誤りであっても強烈な確信を伴う。

 時代がずれたのか、酔いと記憶がひと晩を作り替えたのか。判断材料はあまりに少ない。ただ、あの夜を境にPJが長く日常を取り戻せなかったという事実だけは、酒のひと言では片づかない。

参考:Nexus News Feed、ほか

関連キーワード:,
TOCANA編集部

TOCANA(トカナ)は、「ホントカナ?」を編集方針に、UFO・UAP、UMA、心霊、予言、超古代文明、都市伝説など世界の「謎」を追うオカルトニュースメディア。2013年の開設から13年、公開記事は2万本以上。
Twitter: @DailyTocana
Instagram: tocanagram
Facebook: tocana.web
YouTube: TOCANAチャンネル

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

人気連載

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】

現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...

2024.10.02 20:00心霊

ドアが閉まった瞬間、店は「50年前の廃墟」に変わった… 1920年代の紳士とドライブした若者たちを襲った時空のバグのページです。などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで

トカナ秘密結社購買部

心霊最新記事

3歳児が語った9.11「前世の死」の記憶

スピリチュアル

頭の痣が銃創と一致した「前世記憶」の少年

スピリチュアル

手術台で見た"導き手"、看護師が語る死生観

スピリチュアル