「このビルは、ヤバイ…」 本当にあった職場の怖い話! ~実話怪談・忌み地に就くべからず ~
作家・川奈まり子の連載「情ノ奇譚」――恨み、妬み、嫉妬、性愛、恋慕…これまで取材した“実話怪談”の中から霊界と現世の間で渦巻く情念にまつわるエピソードを紹介する。
【19】忌み地に就くべからず(中)

(社員が次々と左足を負傷。前編はコチラ)
――結局、塔山さんは、外部の人には漏らさないという条件で、警備員と受付嬢から話を聞き出すことに成功した。
「リニューアル工事をしているときから、おかしなことがあったそうです」と、まずは警備員が受付ブースから出てきて話しはじめた。
ここはフロントロビーで、時折、人が出入りする。塔山さんはあまり目立たないように、受付の横の壁際に彼と並んで立ち、声をひそめて訊ねた。
「つまり僕たちが来る前から?」
「はい。作業員や工事現場の警備にあたった人たちが怪しい物音を聞いたとか、工事中に何度かトラブルが発生したとか、その程度ですが……。ただ、墓地のことがあるから、霊障だと言われると誰しもそんな気がしてくるのだと思います」
「墓地のことって何ですか?」
「ご存知ありませんでしたか。このビルの裏にお寺の霊園があるんですよ。従業員口がある路地とは逆の、反対側の路地を少し先に行くと見えるんですが、けっこうちゃんとしたお寺があって、そこの霊園ですよ。だから、この場所にも昔はお墓があったのかもしれないと想像する輩が現れるわけです。これのベースになったビルが初めに建てられたのは80年代の初め頃のことですが、当時は今より万事においてユルい時代でしたからね……。千駄ヶ谷トンネルみたいに、墓地を埋め立てて建てたんじゃないかと」
「あの心霊スポットの千駄ヶ谷トンネル? あそこは、もっと古いでしょう?東京オリンピックの前に、古い墓地を掘り返して造ったと聞いたことがありますが……。ここについては初耳ですよ!」
「ビルのリニューアル・オープンからひと月と経っていませんから、ご存知ないのは無理もありません」
「本当ですか? 裏が墓地だって? 後で見てこようっと」
「ええ、是非。……だけど東京には元は墓地だった場所なんて五万とありますし、工事中のトラブルなんて珍しくありませんから、私は当初は意に介さなかったんです。……でも、ほら、そこ!」
警備員は出入口を指差した。
「そこを写している防犯カメラが、人の格好をした陽炎のようなのを撮ったので……」
関連記事
人気連載
“包帯だらけで笑いながら走り回るピエロ”を目撃した結果…【うえまつそうの連載:島流し奇譚】
現役の体育教師にしてありがながら、ベーシスト、そして怪談師の一面もあわせもつ、う...
2024.10.02 20:00心霊「このビルは、ヤバイ…」 本当にあった職場の怖い話! ~実話怪談・忌み地に就くべからず ~のページです。東京、怪談、川奈まり子、情ノ奇譚、オフィスビルなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで
心霊最新記事
人気記事ランキング11:35更新
- ・ニュース生放送中に“謎の手”が出現!キャスターも戦慄
- ・戦慄の心霊映像!“いわくつき”の乳母車がひとりでに動き出す
- ・脳科学者が明かす「亡き夫と毎日対話する方法」
- ・絶対に行ってはいけない「最強の心霊スポット3つ」島田秀平が厳選!
- ・監視カメラは見た!男性が“忽然と消える”決定的瞬間
- ・人体を侵食する呪物「かんひも」とは?
- ・世界で最も有名な心霊写真の一つ「クイーンズランドの赤ちゃんの幽霊」
- ・ハロウィンで「安倍元首相の仮装」がおすすめできない理由とは?
- ・TOCANA読者の皆様へ!オカルト情報を教えてください!
- ・最新の霊界コミュニケーションロボット『ワラシミニ』とは!?
- ・ニュース生放送中に“謎の手”が出現!キャスターも戦慄
- ・「時間そのものが消滅する日」と、宇宙の“思ったより早い”終わり方
- ・歌舞伎町でヤクザを12人も血祭りに
- ・【独占インタビュー】予約2年待ちの霊能者「岡本雅之」が明かす“運命の変え方”! 人生の選択肢を増やす『超次元エネルギー』とは?
- ・脳から18cmの「生きた虫」! 数年前の“生食”が招いた悪夢の正体
- ・「9月は地震の月になる」カリスマ予言者が警告!
- ・“反重力装置”「ディーンドライブ」の謎
- ・謎の「クラゲ型UFO」が同時多発? 衝撃の映像と“不可解な現象”
- ・専門家が断言「ダイアナ妃は死ぬはずではなかった」
- ・サメの白子を食べると「股間がエイリアンになる」と判明