「Stop chat gpt!!」ChatGPT誕生の10年前に投稿された「予言」ツイートの正体とは

AIチャットボット「ChatGPT」が世に出たのは2022年11月のことだ。ところがその10年も前——2012年10月に投稿されたとみられる一件のツイートが、2026年8月、SNS上で異様な注目を集めた。
文面はたった一言、「Stop chat gpt!!(チャットGPTをやめろ!!)」。ChatGPTという言葉すら存在しなかった時代に、まるでその登場を予見したかのような投稿は本物なのか。米ファクトチェック機関Snopesが、この”予言ツイート”の真偽と背景を検証している。
「10年越しの予言」は本物だった——投稿主は一般のインドネシア人ユーザー
Snopesの調べによれば、この投稿自体は捏造ではなく実在するものだった。「マリアンヌ」を名乗るアカウント(@Meytrullers17)が、2012年10月5日に「Stop chat gpt!!」と投稿した記録がアーカイブで確認されている。
Stop chat gpt!!
— Marieanne (@Meytrullers17) October 5, 2012
投稿は当時のスクリーンショットとともにSNS上で急速に拡散した。あるユーザーは「インドネシア人だけど、この人はタイムトラベラーだと100%言い切れる」と、半ば本気とも冗談ともつかないコメントを寄せている。
一方で、単なる偶然の一致にすぎないという冷静な見方を示すユーザーも少なくなかった。アカウントの所在地はインドネシアとされており、2013年6月22日の投稿を最後に更新が途絶えている。
「gpt」の正体はインドネシア語の略語だった?
ここで浮上したのが、「gpt」はAIの略称ではなくインドネシア語のスラング略語ではないか、という説だ。一部のユーザーは、「重要ではない」を意味するインドネシア語「ga penting」の略ではないかと指摘した。
インドネシアでは軍事政権下で培われた簡潔な言葉遣いの文化的背景もあり、SNS上での過度な略語使用がよく知られている。もっともらしい説明に思える。
ただしSnopesが複数のインドネシア語スラング辞典サイトを調べたところ、「gpt」をこの意味で使う用例は見つからなかったという。一方で同アカウントの過去投稿には「Stop BC sg gpt tah」など、他にも「gpt」を使った表現が確認されている。
スパムメッセージへの苦情投稿もあったことから、「重要でない連絡を送るのをやめて」といった意味だった可能性も浮かぶ。Snopesはアカウント本人への接触も試みたが、記事公開時点で応答は得られていないという。
Snopesが下した「True」の評決が意味するもの
Snopesはこの主張について「True(真実)」の評価を下している。ただしこれは、「2012年に実在の人物が”Stop chat gpt!!”と投稿した」という事実そのものが真実だという意味だ。
それが後年のChatGPTを予言していた、あるいはタイムトラベラーの仕業であるという解釈まで裏付けるものではないと、Snopesは注記している。投稿の実際の意図や意味については、あくまで憶測の域を出ないというのが結論だ。
10年後に生まれる固有名詞と偶然一致した文字列を見つけ出し、そこに「予言」を読み取ってしまう。
真相は「予言」よりも、遠く離れた国の日常的なスラングの中にあったのかもしれない。
参考:Snopes、ほか
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