宇宙人と世界で初めて会見したジョージ・アダムスキー(2) 金星人との遭遇

――「超常現象」分野に深い造詣を持つオカルト研究家・羽仁礼が歴史的UFO事件を深堀り。アーノルド事件からCBA事件までを振り返る。

 見知らぬ男の身長は、見たところ165センチくらいで、アダムスキーより低かった。体重は61キロくらいと思われた。年令は地球人でいうと27,8歳くらいに見えた。

 顔立ちは額が広く丸い顔、目は暗緑色で頬骨が幾分尖っていた。鼻はほどよい大きさですっきりと鼻筋が通り、笑っている唇の間から透くような白い歯が美しく輝いていた。皮膚の色はどちらかといえば日焼けした小麦色、顎には髭がない。肩まで垂れる砂のような色の髪が風に軽く揺らめいていた。

 衣装も、アダムスキーがこれまで見た事のないものだった。

宇宙人と世界で初めて会見したジョージ・アダムスキー(2)  金星人との遭遇の画像1
ジョージ・アダムスキー(画像は「Getty Images」より)

 服装は上下一続きのようで、色は焦げ茶に近く、上半身はゆったりとしているが首は詰め襟で、手首や足首はバンドのようなもので締められていた。

 腰の辺りには幅20センチくらいのバンドが巻かれ、その上下の淵は明るい金褐色だった。

 ボタンやホックやポケットなどは一切見あたらず、縫い目もなかった。

 靴は赤みがかった色で、サイズはアメリカの基準で9から9半というから、27センチから27.5センチくらいになる。表上部に細いひも状のものが二つあったが留め金はなかった。地球の男用の靴より踵が低く、つま先も丸みを帯びていた。

 手招きされて近づいたアダムスキーが、握手しようと手を差し出すと、彼は軽く笑って首を振り、互いの掌を軽く触れさせた。男の掌は子供の手のような繊細な優しい感触で、彼の手は華麗な婦人のように細くすんなり伸びていた。

 ここから奇妙なやりとりが始まる。

 まずアダムスキーは男に、どこから来たのか、と声に出して尋ねた。しかし相手にはアダムスキーの言葉が通じなかったようなので、同じ質問を繰り返した。相手はちょっと首を振って、全然検討がつかないという表情を示した。

 そこでアダムスキーは、テレパシーと身振りとに頼ることにした。

 まずは頭の中である惑星を思い描き、空中の太陽を指さした。それから、指で太陽のまわりに円周を描き、比較的近い天体の軌道を描きながら「水星」といった。続いて、もっと大きな軌道の円周を描いて「金星」と呼び、さらに第三の円周を描いて「地球」といいながら、自分たちのいる地面を指した。

 これを二度繰り返しながら惑星の姿を思い浮かべ、一生懸命に天体をイメージし、地球に属するものとして自分を指さした。

 相手はアダムスキーの意図を理解したらしく、にこにこ笑いながら太陽を指さし、一つの軌道を描き、その外側にもう一つの軌道を描いてから彼自身を示してみせ、何度も第二の軌道を指す素振りを見せた。

 そこで「あなたは金星からいらっしゃったのですか」と聞くと、彼はしきりにうなずいて、一度だけ「金星」と答えた。

 声は大人の声よりも多少甲高い調子で、大人と子供の中間くらい。音質は何か音楽的な響きを持っていた。

 このようなやり方でアダムスキーは、彼が地球にやって来た目的は地球の放射線を調査するためであり、それは核爆発に関係すること、地球の核爆発が他の天体に影響していることなどの返答を引き出した。

 アダムスキーが、核爆発の地球への影響を尋ねると相手は両手できのこ雲の形を示し、2,3「ボーン・ボーン」と声に出した。

 さらにアダムスキーが、さきほど見た宇宙船でやって来たのか尋ねると、彼は振り返って低い丘の影を指さした。そこには例のUFOが、地上すれすれの位置で滞空していた。

 アダムスキーはさらにこの奇妙な会話を続け、相手は大きな母船で地球の近くまでやって来たことや、宇宙船は引力と反撥力作用を利用して飛行すること、小型の無人偵察UFOが存在すること、彼らも神を信じていること、彼らの間では宇宙旅行は普通の風習になっており、UFOは過去幾度となく地球にやって来ていること、さらに金星以外の惑星にも地球と同じ様に種々の人間が住んでいて、それらがいずれも地球を訪れている事実を知った。

 ここでアダムスキーは、「あなたたちはどうして地球人が沢山いる都会に着陸しないのですか」と質問した。すると相手は少し苦笑して、大勢いるときには危険だと答えた。

 アダムスキーが写真を撮っても良いか尋ねると拒否されたが、相手はそのかわり自分の足を指さして独り言のようになにか呟いた。それから、今まで立っていた位置から一歩横に寄った。そこには、靴跡がはっきり刻まれていた。宇宙人はじっとアダムスキーを見ていた。靴跡の意味が理解できたかどうか確かめているようだった。アダムスキーがなんとなくうなずくと、彼は同じ様な動作を繰り返し、三組のはっきりした足跡を地面に刻んだ。

【羽仁礼UFO史連載】
第1回:UFO史を紐解くー「ケネス・アーノルド事件」(1) 
第2回:UFO史を紐解くー「ケネス・アーノルド事件」(2)
第3回:UFO史を紐解くーケネス・アーノルド事件以前の目撃例(1)
第4回:UFO史を紐解くーケネス・アーノルド事件以前の目撃例(2)
第5回:日本UFO研究事始めー「宇宙機」とその時代(1)
第6回:日本UFO研究事始めー「宇宙機」とその時代(2)
第7回:戦前に設計された円盤形航空機「ディスコプター」とは?
第8回:UFO=宇宙人の乗り物説は日本発祥だった!?
第9回:UFO研究の先駆者ドナルド・キーホー概説
第10回:1897年「オーロラ事件」は世界初のUFO墜落事件なのか?
第11回:謎に包まれた「アズテック事件」を解説(1)
第12回:謎に包まれた「アズテック事件」を解説(2)
第13回:昭和25年の「空とぶ円盤」事情
第14回:ナチスのUFO開発史ールーマニアの発明家アンリ・コアンダ(1)
第15回:ナチスのUFO開発史ーフリーメーソンの技術者ベッルッツォ(2)
第16回:ナチスのUFO開発史ー円盤型航空機「V-7」は完成していた!?(3)
第17回:ナチスのUFO開発史ー円盤型航空機と南米ネオナチ思想の中心人物(4)
第18回:科学知識を総動員した「世界最高のUFO研究書」
第19回:米軍UFO調査機関「プロジェクト・サイン」とフォート・モンマスUFO事件
第20回:アメリカ空軍の極秘UFO研究「プロジェクト・ブルーブック」解説(1)
第21回:アメリカ空軍の極秘UFO研究「プロジェクト・ブルーブック」解説(2)
第22回:アメリカ空軍の極秘UFO研究「プロジェクト・ブルーブック」解説(3)
第23回:50年代のUFO研究団体「空中現象調査機構(APRO)」とは?
第24回:世界的UFO事件「羽田空軍基地事件」とは?
第25回:宇宙人と世界で初めて会見したジョージ・アダムスキー(1)

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文=羽仁礼

一般社団法人潜在科学研究所主任研究員、ASIOS創設会員、 TOCANA上席研究員、ノンフィクション作家、占星術研究家、 中東研究家、元外交官。著書に『図解 UFO (F‐Files No.14)』(新紀元社、桜井 慎太郎名義)、『世界のオカルト遺産 調べてきました』(彩図社、松岡信宏名義)ほか多数。
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