【インタビュー】宇宙の覇権を握るのは誰か? 火星移住は? なぜ今宇宙なのか…ケロッピー前田が徹底解説!ジェフ・ベゾスは7月20日に宇宙へ!

――私は、ベゾスのロケットで宇宙から地球を眺めるくらいでいいです。

ケロッピー「マスクに敗れたベゾスだけど、今年の7月20日に、自らブルー・オリジンのロケットに乗って、その最初の有人飛行に挑むというんだ。ベゾスの弟と、もう一人の一般参加者はまだ名前は伏せられているね。30億円でベゾス兄弟との記念すべき宇宙旅行を楽しむ権利を得たというんだ。具体的には、ロケットを打ち上げて、いわゆる宇宙空間にとどまる時間は約11分、そのあとは地球に戻ってくるんだ」

――結構、短いですね。ZOZO創業者である前澤友作氏はスペースXで宇宙に行く予定ですよね。

ケロッピー「そうそう。前澤氏は公募したアーティスト8人と一緒に一週間の月周回飛行を2023年に計画しているね。本当に行くのかな。実際、大変そうだよね」

――火星はかなり遠いですよね。地球からどのくらい時間がかかるんですか?

ケロッピー「2年に一回しかチャンスがなくて、約270日もかかるという。そうは言っても、つい先日の5月14日には、中国の火星探査機『天問1号』から射出された火星探査車『祝融』が着陸に成功しているじゃない。各国政府も再び宇宙開発に乗り出していて、火星に人間を送るところまでやらないと中国に先を越されてしまうでしょう」


――中国は国際宇宙ステーションとは別に、独自の宇宙ステーションの建設を進めています。

ケロッピー「そうそう。6月17日、3人の宇宙飛行士を乗せた『神舟12号』が、建設中の宇宙ステーション『天宮』とのドッキングに成功している。ベゾスは億万長者相手の宇宙旅行なんて呑気なこと考えていたから、マスクに敗れたと思うんだよね。マスクが宇宙開発において、技術革新でベゾスを大きく引き離した要因のひとつに、衛星インターネットのための独自の人工衛星打ち上げを地道にやってきたことが指摘されている。実際、もう1800個くらいの小型衛星を宇宙空間に送り込んでいて、スターリンクによる利用サービスも始まっているんだ


――ベゾスも人工衛星のプランがありましたよね。あと、フェイスブックのザッカーバーグも衛星インターネットをぶち上げていたと思います。


ケロッピー
「確かに彼らも計画しているけど、まだ衛星を打ち上げていないんだ。マスクの仕事の速さは凄まじい。有人飛行に向けてのロケット開発の過程ですでに人工衛星を宇宙にどんどん送ちゃってたんだよね。スペースXの有人飛行は2020年6月に成功していて、日本の野口聡一や星出彰彦さんが国際宇宙ステーションに行くときもスペースXだったんだ」


――他社はかなわないですね。


ケロッピー
「2024年には火星に向けて出発。最初は資材を乗せて、ロボットが人間が住めるような環境を準備して、あとから人間が行く。2050年には100万人を火星に移住させられるとぶち上げているよ」

――あと30年か。私が生きているうちにそんな未来が到来するんですね。

ケロッピー「当然、ここでマスク自身はいつ宇宙に行くのかって問いがあるよね」

――まさにそれ大問題です。火星に行くつもりなんですかね。

ケロッピー「それについて、マスクは明確に答えていないけど、彼自身が知性を持った宇宙生命体の存在の可能性を信じていたり、脳とコンピューターを接続してアバターを火星に行かせるような技術も作っているわけじゃない。だから、僕らには想像もつかないような形でマスクは宇宙を体験することを考えていると思うよ。宇宙人との遭遇も含めてね

――いろいろ楽しみになってきます!

ケロッピー「そういう意味でも、ベゾスはマスクに強く嫉妬して、あえて、自ら最初に宇宙に行くビリオネアとなることで、挽回しようと思っているんでしょう。富裕層の間で宇宙旅行が流行したとすれば、それこそがベゾスのブルー・オリジンの当初の目的だったわけだからね」

――なるほど、7月20日のベゾスの宇宙飛行は見ものですね!

(つづく)

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文=ケロッピー前田

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

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