【インタビュー】アフターコロナの「本格的サイボーグ時代の到来2029」を身体改造の第一人者・ケロッピー前田が徹底解説! 脳マイクロチップで何ができるのか?


ケロッピー
「2016年にニューラリンクを創業して、たった5年で実用化にこぎつけたわけだから、流石というほかない。同年、先端技術のイベント『Code Conference 2016』で、2025年までに人類は火星に行くとか、人間はコンピュータ・ゲームのなかで生きることになるとか、人工知能が人類を追い越したら僕らは彼らのベットにされるとか発言していたわけ。そして、実は解決策があると言って、マスクが熱弁を振るったのが、脳とコンピュータの接続だったんだ。司会者はペットでも猫ならいいかなって言ってたけど、彼はマジだったわけでしょう」

――わたしも猫ならいいかなって(笑)。

ケロッピー「つまり、イーロン・マスクは、人工知能が人類を追い越すシンギュラリティに備え、人工知能(AI)と合体しようと言っているんだよ。シンギュラリティとは、未来学者のレイ・カーツワイルが提唱し、コンピュータ・テクノロジーは指数関数的に進歩するから、2045年には人類はAIに追い越されること。とはいえ、テクノロジーの進歩はさらに加速して、近年、2029年にはシンギュラリティが到来するとも言われ始めているんだ」

――結構、すぐじゃないですか!

ケロッピー「マスクの未来計画については、彼の盟友ピーター・ディアマンディスの新著『2030年 すべてが加速する世界に備えよ』(ニューズピックス)に詳しい。この本では、既存のあらゆるテクノロジーがデジタル化されることで、コンバージェンス(融合)していくと力説しているんだよ。量子コンピュータ、人工知能、衛星ネットワーク、ロボット、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、ブロックチェーン、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどなど、未来予想ではお馴染みのトピックスがずらりと並ぶけど、その本のクライマックスで登場するのが、“あらゆるテクノロジーの究極の交錯点”としてのニューラリンクなんだよ」

画像は「Amazon」より引用

――やっぱり、別格なんですね!

ケロッピー「タブーの一線を超えるという意味でね。電気自動車、自動運転車、民間ロケットまでは想像できる人たちでも、脳とコンピュータを本当に接続するとなると」

――格好いいじゃないですか!

ケロッピー「そこら辺がマスクにカウンター精神を感じてしまうところなんだよね。有名な話だけど、彼はアイアンマンのモデルだったりするわけじゃない。権力に迎合しないスタンスで技術革新を推し進めて欲しいな」

――ところで、ゲイツ夫妻の離婚話とか、ビリオネアの怪しい動きが気になります!

ケロッピー離婚といえば、世界トップの億万長者ジェフ・ベゾスも、2019年にしているじゃない。ゲイツ夫妻の件も、税金対策や財産分配も絡んだ戦略的なものという噂もあるしね。イーロン・マスクのニューラリンクにしても、5月2日、社長のマックス・ホダックが辞任することをツイートしてネットを騒がせているよ。ホダックはつい先頃、恐竜を蘇生することも技術的に可能とツイートして、リアル・ジェラシック・パークと話題になったばかりなのにね」

――ニューラリンクから社長を引き抜きですか?

ケロッピー「あり得るよね。ところで、中国は、NeuraMatrix(ニューラマトリックス)という新事業を立ち上げているから、いろいろと怪しいよ。中国共産党が、テスラ・モーターズに意図的なネガティブキャンペーンを展開して、大きな問題になっているよ。明らかに、イーロン・マスクの技術を狙っているんだよ」

――すぐに中国共産党になびくビル・ゲイツとは大違いですね!

ケロッピー「マスクが技術開発の速さに拘るのは、技術盗用に対する警戒心からきているところもあるだろう。ニューラリンクの躍進に、パンデミック以降の未来が見えてきた気がするね」

――おおっ、本格的なサイボーグ時代の到来ですね!

(つづく)

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文=ケロッピー前田

1965年、東京都生まれ。千葉大学工学部卒、白夜書房(のちにコアマガジン)を経てフリーに。世界のカウンターカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『BURST』(白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。その活動は地上波の人気テレビ番組でも取り上げられ話題となる。著書に『クレイジートリップ』(三才ブックス)、『クレイジーカルチャー紀行』(KADOKAWA)、責任編集『バースト・ジェネレーション』(東京キララ社)など。新刊本『縄文時代にタトゥーはあったのか』(国書刊行会)絶賛発売中!

公式twitter:@keroppymaeda

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